ビタミン・ミネラルの知識(4)―主要ミネラル

ビタミンが動物や植物が体内で構成してつくり出した有機質であるのに対して、ミネラルとは、元素の形で存在する無機質のことをいいます。
抗酸化物質は酵素反応の過程でミネラルを使用する必要があり、生物はミネラルが欠乏すると、死に至ることもありえます。

生命維持のために欠かせない必須ミネラルには16種類あり、この中で体内に比較的多く存在するカルシウム、リン、カリウム、イオウ、塩素、ナトリウム、マグネシウムの種類は「主要ミネラル」と呼ばれ、極めて少量存在している鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、セレン、マンガン、モリブデン、クロム、コバルトの9種類は「微量元素」と呼ばれています。

主要ミネラル

カルシウムは、人の体内に最も多く存在しているミネラルで、日本人の平均的なカルシウム摂取量は不足しているといわれています。
カルシウムの99%は骨に存在し、残りの1%程度が血液や筋肉、神経などに存在します。骨や歯の組織を形成するほか心臓の鼓動を打つ、神経を安定させる、血液の浸透圧やpH値を正常化する、アレルギー反応を抑えるなどさまざまな生理作用をもちます。
カルシウムは、胡麻、高野豆腐、ひじき、煮干し、大根の葉、ほうれん草などに含まれますが、多く含む食品は少なく、また吸収率の低い食品も多いので意識して摂るように心掛けたい栄養素です。
カルシウムが不足すると、骨粗しょう症、骨の形成障害、動脈硬化、神経過敏、イライラ、不整脈、腎臓結石などの症状の原因になることがあります。
骨の成長には、カルシウムのほかにビタミンD、ビタミンK、ビタミンC、マグネシウムなどの栄養素が必要です。

マグネシウムは、体内に存在する300種類以上の酵素系に必須なミネラルで、心臓や筋肉の働きを正常に保ち、精神安定、血圧の正常化などの働きももっています。また、医療においては腎臓結石の治療に使われます。多くは骨や歯に蓄えられており、骨粗しょう症を予防するためにはカルシウムとマグネシウムのバランスが重要になります。
ストレスや、肉・加工食品などに含まれるリンもマグネシウムを減らす原因になります。
マグネシウムは玄米などの精白していない穀類や野菜、豆腐、ナッツ類などに含まれ、マグネシウムが慢性的な欠乏症になると、虚血性心疾患が増え、突然死とも関係があるといわれています。

リンは、骨や歯の中でリン酸カルシウムとして存在しています。近年では冷凍食品、加工食品、インスタント食品、清涼飲料水、スナック菓子などに広くリン酸が使用されており、現代人のリンの過剰摂取が指摘されています。
リンを過剰摂取すると副甲状腺の機能が亢進してしまうほか、腎臓にも負担をかけます。また腸内にリン酸カルシウムができ、カルシウムが吸収されずに体外に排出されてしまい、カルシウム欠乏となります。

カリウムは、筋肉の収縮と弛緩の調整に働きます。
ナトリウムとは相反する関係にあって均衡を保っており、ナトリウムが細胞の外にあるのに対してカリウムは細胞壁の内側に存在し、細胞壁の内と外の物質交換に関与しています。
カリウムを多少多く摂取してもほとんど問題ありませんが、ナトリウムを過剰摂取するとカリウムの欠乏症となります。また大量発汗やストレス、そしてコーヒーやアルコール、甘いものの摂取もカリウムを減らす原因になります。
カリウムはトマト、バナナ、ほうれん草、干しヒジキ、大豆、じゃがいもなどに含まれますが、不足すると高血圧、不整脈、心不全などの原因になることがあります。

ナトリウムは、細胞の外側に存在し、細胞膜を通しての物質交換に働きます。
塩化ナトリウムとして食塩の中に存在し、人間にとって不可欠な物質ですが、食塩は化学調味料や加工食品の中に多量に使用されており、現代人はナトリウムの取り過ぎ傾向があります。
ナトリウムの食事摂取基準は、成人男子で10g未満/日、成人女子で8g未満/日であり、過剰摂取すると高血圧、胃がん、動脈硬化などの症状の原因になることがあります。