ビタミン・ミネラルの知識(5)―微量元素

微量元素

鉄は、ヘモグロビンと結びつき、肺から吸収した酸素を全身に運ぶ働きがあります。
鉄はレバー、魚、ほうれん草などに含まれ、不足すると鉄欠乏性貧血、動悸・息切れ、思考力・集中力低下、幼児の発育障害などの原因になることがあります。
加工食品や清涼飲料水に含まれるリン酸は鉄の吸収を妨げます。

銅は鉄とヘモグロビンを結びつける働きがあり、活性酸素の除去に働く酵素の補酵素となります。
銅は甲殻類、貝類、ナッツ類に多く含まれ、不足すると鉄欠乏症と同じような症状を起こすことがあります。

亜鉛は、200種類以上の酵素の働きに関与し、遺伝子やタンパク質の合成を行ないます。また、アルコール依存症や味覚障害の治療に効果的だといわれています。
亜鉛は魚介類に多く含まれ、不足すると皮膚炎、脱毛、味覚異常、免疫不全、情緒不安定、性機能不全などの原因になることがあります。
セレンやクロムと一緒に摂ると相乗効果が期待できます。
大豆製品に含まれるフィチン酸と亜鉛を一緒に摂ると、亜鉛の吸収が阻害されます。

セレンは、体内で酸化された脂肪酸である過酸化脂質の分解に働き、抗酸化作用があります。またビタミンEと協力して血液を流れやすくします。セレンの抗酸化作用はビタミンEの50~100倍ともいわれ、また水銀やカドミウムなどの有害物質の毒性を軽減する働きもあります。
セレンは不足するとがん、心筋症、不妊症、白内障、抜け毛などのリスクが高まりますが、魚介類や蕎麦に多く含まれ、これらから摂取している日本人には欠乏症の心配はないといわれています。野菜に含まれるセレンは、土壌のセレン含有量によって大きく左右されます。
セレンの摂取上限量は350~400μg/日であり、過剰摂取すると中毒症が現れることがあります。

マンガンは、活性酸素分解酵素SODの構成成分となるなど、様々な酵素の補酵素となります。
マンガンは、土壌に含まれるマンガンが作物に吸収されるので、植物性成分に多く含まれ、不足すると生殖能力の低下、筋無力症、糖尿病などの原因になることがあります。
マンガンの摂取上限量は11mgであり、過剰摂取をすると中毒症状を起こすことがあります。

クロムは、インスリンの作用を助け、血液中の中性脂肪やコレステロール値を正常に保つ働きがあります。動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病を防ぐ栄養素として注目されています。糖分摂取の多い人はインスリンの分泌が多いためクロムが不足しがちになります。
クロムは精白していない穀類、肉、魚に多く含まれます。野菜にも含まれますが、吸収率が低いと言われます。白米にはほとんど含まれません。
ちなみに、人体に有用なのは三価クロムであり、環境汚染物質として知られているのは六価クロムです。