ビタミン・ミネラルの知識(8)―生活習慣と栄養

人間が生命を維持させていくために不可欠な栄養素には、三大栄養素といわれる糖質、脂質、たんぱく質、そしてビタミン、ミネラル、食物繊維があります。
それぞれに摂取必要量というものがあり、すべての栄養素を少なすぎず、多すぎず、バランスよく摂取することによって、はじめて健康が維持されます。

加工食品や外食に頼りがちな現代人にとって、とくにビタミンとミネラルは不足しがちになっています。

生活習慣から考える栄養素の過不足

現代人にはリンの過剰摂取が指摘されています。
リンは食品添加物(保存料)として加工食品や持ち帰り弁当、スナック菓子、清涼飲料水などに使用されており、また砂糖やアルコールにも多く含まれます。
リンや糖分の多いこれらの食品を多量に摂取している人は、糖質の分解に関与する成分であるビタミンB1や血液中のヘモグロビンに含まれて全身へ酸素を運ぶ鉄、心臓や筋肉の機能調節をするカリウム、神経伝達や遺伝情報伝達に関わり抗ストレス作用のあるマグネシウム、酵素の働きに重要で遺伝子やタンパク質の合成を行う亜鉛など多くの栄養素が不足しがちになります。

精製された食塩を多用している人はナトリウムの過剰摂取となり、細胞膜での物質交換を行なう成分として相反する働きをもつナトリウムとカリウムの比率が崩れカリウム不足になります。

肉料理が好きな人は、免疫機能を維持したり皮膚の健康に関与する成分であるビタミンB6や、骨や歯の形成に関わり抗ストレス作用のあるカルシウム、そしてマグネシウムが不足しがちになります。

逆に動物性食品を食べることが少ないベジタリアンの人は、ヘモグロビンを合成したり神経細胞を調整する成分であるビタミンB12や、亜鉛、さらには身体を活性酸素から守る抗酸化物質として働くコエンザイムQ10などが不足しがちになります。

タバコをよく吸う人は、コラーゲンを生成し壊血病を予防するといわれているビタミンCが不足しがちになります。

コーヒーの多量摂取は、脂肪やコレステロールの流れをよくする動脈硬化や肝脂肪を予防するといわれるイノシトールや鉄、カリウムが不足しがちになります。

日常生活で日光に当たる機会が少ない人や、妊婦・授乳婦、5歳までの幼児、高齢者は、骨や歯の形成に関わる成分であるビタミンDやカルシウムの不足に注意する必要があります。

妊婦・授乳婦は、このほかに細胞核の中で遺伝子情報を保存する核酸(DNA、RNA)の合成に不可欠で、また造血に働く葉酸や、骨の発育に不可欠で、また血液凝固因子を合成するビタミンKの不足に注意する必要があります。