ビタミン・ミネラルの知識(1)―水溶性ビタミン

ビタミンは、水に溶ける水溶性ビタミン(ビタミンB群、C)と、水に溶けない脂溶性ビタミン(ビタミンA、E、D、K)があります。
以下、ビタミンの種類と役割について解説いたします。

水溶性ビタミンの機能

ビタミンCは、コラーゲンの合成に働き、副腎皮質ホルモンの生成にも関与します。また、腸管において鉄や銅の吸収を高め、ヘモグロビンの合成を促進。さらに免疫力を高め、発ガン物質のニトロソアミンの生成を抑えます。
ビタミンCはブロッコリー、ピーマン、小松菜、いちご、柿、みかん、レモン、じゃがいもなど野菜、果物、いも類に多く含まれ、不足すると壊血病、骨粗しょう症、肌荒れ、心身症、感染症などのリスクが高くなります。

ビタミンB1とは、砂糖などの糖質を分解する酵素の補酵素で、脳の中枢神経や手足の末梢神経を健康に保ち、精神を安定させます。
ビタミンB1は、大豆、胡麻、玄米のぬかや胚芽部分に多く含まれ、精白米を食べるようになった江戸時代に流行した脚気(かっけ)はビタミンB1欠乏症でした。
ビタミンB1が欠乏すると乳酸などの疲労物質がたまり、体が疲れやすくなり、また集中力がなくったり、脳や神経に障害が起こることがあります。

ビタミンB2とは、脂質や糖質をエネルギーに変える酵素の補酵素、また抗酸化酵素の補酵素で、ダイエットに有効な栄養素であると言えます。また、皮膚や粘膜を正常に保つ働きもあります。
ビタミンB2は干ししいたけ、納豆、レバーなどに多く含まれ、不足すると発育不良、目の障害、肌荒れなどの症状を起こすことがあります。
ビタミンB2、B6、ナイアシンは補完関係にあり、ひとつが不足すると他の二つも不足します。

ナイアシンとは、ビタミンB群の一種で糖質や脂質をエネルギーに変える酵素やアルコール分解酵素の補酵素で、血行を良くし、血圧を下げ、脳神経の働きを促進します。
ナイアシンは落花生、タラコ、青魚、レバーなどに多く含まれ、不足するとペラグラ(消化器疾患を伴う皮膚炎)、胃腸障害、頭痛、ノイローゼなどの症状を起こすことがあります。
ナイアシンはビタミンB1、B2、B6が不足すると働きが低下します。

ビタミンB6は、たんぱく質を代謝する酵素の補酵素として働き、神経伝達物質の合成に関与します。
ビタミンB6は玄米、バナナ、サケなどに多く含まれ、不足すると皮膚炎、抹消神経炎、不眠、食欲不振、脂肪肝などの症状を起こすことがあります。
また、ビタミンB6の欠乏はナイアシン欠乏にもつながります。

ビタミンB12は、葉酸を助けて赤血球のヘモグロビンをつくります。
ビタミンB12は牡蠣、レバーをはじめすべての動物性食品に含まれますが、海苔など一部を除いて植物性食品にはほとんど含まれません。
ビタミンB12が不足すると貧血、神経過敏症、食欲不振などの症状を起こすことがあります。

葉酸は、ビタミンB群の一種で細胞核の中で遺伝子情報を保存する核酸(DNA、RNA)の合成に不可欠で、細胞分裂を促します。またビタミンB12とともに赤血球を形成します。
葉酸は、海苔、枝豆、葉菜類、レバーなどに多く含まれまれ、不足すると貧血、胎児や乳幼児の発育不全を起こすことがあります。

ビオチンとは、ビタミンB群の一種で、糖質、脂質、たんぱく質、核酸の代謝に働く補酵素で、皮膚や粘膜を健康に保ち、最近ではアレルギーの抑制にも働くといわれています。
ビオチンは大豆、タマネギ、くるみ、レバーなどに多く含まれ、不足すると脱毛、白髪、皮膚炎などの原因になることがあります。
卵白に含まれるアビジンはビオチンを吸収を妨げます。
またビオチンは、ビタミンA、B2、B6、ナイアシンが不足すると働きません。

バントテン酸はビタミンB5ともいわれ、糖質、脂質の代謝に働く補酵素で、抗ストレスホルモンである副腎皮質ホルモン、自律神経伝達物質、善玉コレステロールの生成に関与します。
パントテン酸という呼称は「あらゆるところ」という意味で、ほとんどの食品に含まれています。
ストレス緩和のためには、パントテン酸にビタミンCとビタミンEを組み合わせると効果的です。

※軽症期のアルツハイマー病患者にビタミンB群の葉酸とビタミンB12を投与すると症状が改善することを、見立病院(福岡県田川市)の佐藤能啓副院長が実証しました。(2010.5.3付ニュース)