ビタミン・ミネラルの知識(2) ―脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンの機能

水溶性ビタミンは尿と一緒に排出されやすいので多量摂取をしてもほとんど問題がありませんが、脂溶性ビタミンは欠乏症とともに過剰症にも注意する必要があります。

ビタミンAは、皮膚、口腔、内臓などの上皮組織や粘膜を健康に保つ働きがあり、また免疫力を維持し、白内障のリスクを軽減させます。
ビタミンAが不足するとドライアイ、夜盲症、脱毛、免疫力の低下などの原因になることがあります。
ビタミンAにはレバーなど動物性食品に含まれるレチノールと、緑黄色野菜に含まれ体内でレチノールに変換される性質のあるβ-カロテンとがあり、レチノールを動物性食品から過剰摂取すると嘔吐、めまいや妊娠初期における胎児の奇形の原因になることがあるので注意が必要です。摂取上限量は3000μg/日です。
β-カロテンは体内で必要な分だけレチノールに変換され、変換されなかったβ-カロテンには抗酸化作用があるため、生活習慣病の予防に役立ちます。

ビタミンEは、強い抗酸化作用を持ち、脂質に含まれる脂肪酸が酸化して過酸化脂質になるのを防ぎ、また活性酸素から細胞膜を守る働きを持ちます。さらにビタミンA、ビタミンC、β-カロテン、セレンなどの酸化も防ぐ老化防止の栄養素であるといえます。
ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類やタラコ、ひまわり油、大豆油などら多く含まれ、不足すると肩こり、冷え性、呼吸器障害、更年期障害、動脈硬化などの症状の原因になることがあります。
ビタミンEの摂取上限量は600~800mg/日で、過剰症になると血液が固まりにくくなるなどのリスクがあります。

ビタミンDは、カルシウムやリンの吸収を助けて骨や歯の形成に関与し、血中のカルシウム濃度を調節します。さらにビタミンAの吸収を促進する作用もあります。
ビタミンDは干ししいたけ、舞茸、乾燥きくらげ、サケ、サンマなどに多く含まれ、不足すると骨粗しょう症、くる病、X脚・O脚、虫歯などの原因になることがあります。日常生活で適度に日光に当たっている人は欠乏する心配はありませんが、逆に日焼けをしすぎるとビタミンDの生成力は落ちます。
ビタミンDの摂取上限量は50μg/日で、過剰症になると嘔吐や下痢、腎障害などを起こすことがあります。

ビタミンKとは、血液凝固因子を生成する酵素の補酵素です。出血時の血液凝固作用と当時に、血管内で有害な血液凝固を抑える成分の合成にも関与しています。
また、ビタミンDが必要に応じて骨から血液中にカルシウムを送り出すのに対してビタミンKはそれを抑制する働きがあり、骨の形成を促します。
ビタミンKは納豆、乾燥わかめ、シソ、ほうれん草などに多く含まれ、不足すると骨粗しょう症、出血症などの原因になることがあります。
食事摂取基準では上限量が設定されておりませんが、過剰症になると吐き気や呼吸困難、血圧低下などの症状を起こすことがあります。

※ここに掲載した「上限量」とは、一般的に成人が過剰摂取による健康障害を起こさない最大栄養摂取量です。