正しい食事・バランス 栄養学の実践による 健康生活

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玄米菜食などの食事療法は有効か


近年は健康ブームで、玄米菜食が健康増進に効果があると言われ、菜食ブームが起こってきております。
ところが、この「菜食」の中にも様々な主張があり、マクロビオティックのように野菜を煮て食べることを指導するものと、ゲルソン療法のように生野菜を食べるべきだと指導するものがあり、それぞれが自分の食事法が最も正しいと主張していますから、私たちはいったい何が正しいのかがわかりません。

日本ホリスティック医学協会会長で医師の帯津良一氏は、ゲルソン療法を行なっている患者の例を挙げ、「野菜ばかりで塩分もない、楽しみのない食事を続けていると、だんだん患者さんの表情が険しくなってきて、最後には元気がなくなる。制限をする食事療法というのは意志の力が要る場合があり、誰にでも通用する万人向きのものではない」と述べています。
食事の目的には、栄養の摂取と楽しみとがあります。栄養バランスの偏った食事を長く続けるところにも、おいしくない料理を無理に食べて心の充実の無いところにも、健康はありません。
ただし、マクロビオティックなどの指導の中には、玄米菜食を貫きながらも、味も美味しくいただけるレシピが開発されているようです。
しかしながら、このレシピで料理を作ろうとすると、それに合った食材探しに苦労をします。自分で農業を営み食材を自給自足できる人ならばともかく、そうではない人がやろうとすると材料費という面でも非常に高くつきます。

また民間療法の中には、個別の体質の違いを考慮せず、指導者自身の体験だけに固執して物事を白と黒とに分けてしまっているものも見受けられます。
ある人には有効でも、ある人には有効ではないというケースもあるのではないかと思います。
現代医学の臨床試験が複数の被験者で行うことには意味があります。

帯津良一氏と親交の深いフーズ&ヘルス研究所の主宰者、幕内秀夫氏は、「多くの民間療法の指導者は、自らの病気を自ら考えた食事療法で治した人であり、自己体験が絡んでいるので説得力はあるが、実際には健康や病気とは食生活だけで語れるものではなく、極端な食事療法を行なうことによって、かえって調子が悪くなってしまう場合も少なくない。このような食事療法は結局は偏食であって、短期間で行なうのならば何らかの効果があるかもしれないが、長期間実行することには問題がある」と警告しています。
幕内氏はさらに、玄米食を家族全員で実行しようとすると必ずといってよいほど「玄米はまずいからいやだ」と思う人がいてもめることがあり、家族がもめるぐらいなら白米のままのほうが良いと戒めています。

アメリカで行なわれた研究報告では、糖尿病の患者に動物性食品を一切摂取しない完全菜食療法を行なったところ症状の改善が認められたことが発表されており、ある種の病気の症状を改善されるための手段のひとつとして、このような食事療法の有効性を否定することはできないと思います。
また、東洋医学でいう「気」の理論から言っても、玄米や野菜は非常に良い食品です。
本来的に玄米や野菜は体にとても良いもので、マクガバンレポート以降の現代栄養学の中でも、精白しない穀類を主食とし、季節の野菜を中心に食べることが理想的な食事だといわれています。

ただし肉や魚を一切食べない食事を長く続けると、一部のビタミンやミネラルが不足しがちになります。植物性食品だけですべての栄養バランスを整えようとした場合に、そのための食事のレシピを考えると難易度が非常に高くなるのです。
玄米菜食でよく問題になるのはビタミンB12ですが、これは毎日海苔を1枚食べていれば補給できます。(ただし、海苔を毎日食べて飽きなければですが。)
むしろ200種類以上の酵素の働きに関与していると言われるミネラルである亜鉛のほうが問題ではないかと思います。亜鉛は皮膚が弱い、抜け毛が多い、情緒不安定、性機能不全などの方には欠かせない重要なミネラルです。
そして亜鉛は玄米の表皮や大豆に多く含まれるフィチン酸と一緒に摂ると、吸収率が下がってしまいます。

大切なことは「中庸」の考え方ではないかと思います。「中庸」とは、極端に偏らないこと、執着しないこと、そして全体を受け入れることです。ホリスティック医学はこの考え方に基づいています。
またホリスティック医学では、心の問題も大切にしています。
偏食には充分に気をつけながらも、食事は美味しく楽しく、感謝の気持ちを持って食べることを忘れないことが重要なのではないでしょうか。

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